価格について
ヤポネシ屋で扱う磐笛は全くの天然物です。 岩質は様々ですが、翡翠や水晶の様な特別な石ではありません。 天然磐笛の希少価値は、人の手によらず、自然の作用によって石に穴が開いているというところです。 詳しくは「何故穴が明いているの?」をご覧下さい。 天然の磐笛は実に多種多様で一つとして同じものはありません。 音色も機械彫りのものとは違い、微妙な揺りや、ナチュラルな倍音が出ます。 吹き込めば吹き込むほど、様々な音色が出るのも面白さの一つです。 通常かなり広い海岸でも、磐笛のある可能性は極めて低く、やみくもに探してもそうそう見つかるものではありません。 店主も最初の1〜2年は行く先々で探しましたが、満足のいく磐笛には遭遇しませんでした。 また仮にあったとしても、穴の明いた石を探し出すという行為を持続するにはかなりの集中力を必要とします。 (人間は思考が介在する為、5分と同じ行為は続けられないのです) 磐笛は存在から授かるというのが基本ですが 初めての方が、いきなり海岸に行って、磐笛に巡り合う確立はかなり低いといっても良いでしょう。 (石灰岩質の特定の海岸ではかなり多いところもありますが、、、) 可能性が絶対無いとは言い切れませんが、しかもあくまで確率なので、行ったからといって見つかるという保障はありません。 行くまでの交通費や時間、見つかる確率等を考慮すれば、当店での価格もある程度納得出来るものではないかと思います。 また運良く穴の明いた石が見つかったとしても、それが磐笛として使用に耐えうるかはまた別の話になります。 個々のスキルにもよりますが、磐笛として人前で吹奏する場合、音が不安定ではどうにもなりません。 人前に立つと緊張して息が乱れやすいので、普段普通に鳴る磐笛でも音が出にくい事が多々あって、店主も初期の頃何回も冷や汗をかいたことがあります。 いついかなるところでも音を出す為にも、安定した音が出る磐笛が必要です。 当店の磐笛は全て店主が数回試し吹きをして、確認澄みですのでご安心下さい。 (必要以上に試し吹きはしておりません) 価格の基準としているのは、岩質と音色と形状です。 音色は特に御神事用に使用する場合は重要なポイントになりますが、砂岩系の柔らかい石はどうしても音がぼやけるので、店主の好みで特別な理由がない限り取扱いはしておりません。(ちなみに平田篤胤の授かった磐笛はビックサイズの砂岩系だったそうですけれど) これらの条件を勘案して、店主の10数年の経験から希少価値のあるものは、それなりの価格をつけさせていただきました。 店主のつたない演奏ではありますが、ご参考までに音サンプルも夫々につけさせていただいております。 また最初はあまりきれいではないと感じた石でも、使い込むうちに味のある色合いに変化してきます。 店主の愛用しているサヌカイト磐笛も、8年ほど経過してやっとふうあいが出てきたくらいですので、石の命と同じく長いスパンでお考え下さい。 磐笛の場合、吹けば吹くほど体と一体化してくるので、多くの方が一生ものとして使われるようになります。 一生楽しめて、当然石なので壊れにくい磐笛なら、他の楽器と比べてもそう割高感は無いのではないでしょうか? |